温度測定は、産業界におけるプロセス制御において重要な要素の一つです。測温抵抗体(RTD)と熱電対(TC)は、最も一般的に使用されている温度センサーです。それぞれ動作原理、適用可能な測定範囲、そして特長が異なります。それぞれの特性を包括的に理解することで、疑問を解消し、プロセス制御に関する適切な判断を下すことができます。例えば、現在使用しているRTDデバイスを交換する際に、代替品として熱抵抗式で良いのか、それとも熱電対式の方が適しているのか、といった疑問が生じるかもしれません。
RTD(抵抗温度検出器)
RTDは、金属材料の電気抵抗が温度によって変化するという原理に基づいて動作します。通常、白金で作られたPt100 RTDは、抵抗と温度の間に予測可能なほぼ直線的な関係を示し、100Ωは0℃に相当します。RTDの適用温度範囲は約-200℃~850℃ですが、測定範囲が600℃以内であれば、性能はさらに向上します。
熱電対
熱電対は、ゼーベック効果を利用して温度を測定するデバイスです。両端を接合した2種類の異なる金属で構成されます。加熱接点(測定点)と冷接点(常に低温に保たれている点)の温度差に比例した電圧が発生します。使用される材料の組み合わせにより、熱電対は多くのカテゴリに分類され、温度範囲と感度が異なります。例えば、Kタイプ(NiCr-NiSi)は約1200℃までの使用に適していますが、Sタイプ(Pt10%Rh-Pt)は1600℃まで測定可能です。
比較
測定範囲:RTDは主に-200~600℃の範囲で有効です。熱電対は目盛りに応じて800~1800℃の上限温度に適していますが、0℃以下の測定には一般的に推奨されません。
料金:一般的なタイプの熱電対は、通常、測温抵抗体(RTD)よりも安価です。ただし、貴金属で作られた高級な目盛りの熱電対は高価になる可能性があり、その価格は貴金属市場によって変動する可能性があります。
正確さ:RTDは高い精度と再現性で知られており、厳格な温度制御が求められる用途において正確な温度測定が可能です。一方、熱電対は一般的にRTDよりも精度が劣り、低温範囲(<300℃)では性能があまり優れていません。より高精度な目盛りであれば、より高精度な測定が可能です。
応答時間:熱電対は RTD に比べて応答時間が速いため、温度が急激に変化する動的プロセス アプリケーションにおいて、より耐性があります。
出力:RTDの抵抗出力は、通常、熱電対の電圧信号よりも長期安定性と直線性に優れています。どちらの温度センサーの出力も、4~20mAの電流信号に変換でき、スマート通信も可能です。
上記の情報から、RTDと熱電対のどちらを選択するかの決定的な要因は、測定対象の動作温度範囲であると結論付けることができます。RTDは優れた性能を発揮するため、中低温度域では好ましいセンサーですが、熱電対は800℃を超える高温環境でも優れた性能を発揮します。話を元に戻すと、プロセスの動作温度の調整や変更がない限り、熱電対の交換によって、元のRTD使用時と比べて大きなメリットや改善が得られる可能性は低いでしょう。お気軽にお問い合わせください。上海王源RTD および TR に関して他にご不明な点やご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
投稿日時: 2024年12月30日


